リンクトイン(LinkedIn)はここ数年、日本語投稿も増え始めています。日本国内ユーザーは増加傾向にあり、リンクトイン・ジャパンも採用を強化しています。
LinkedIn News編集部の立ち上げをはじめ、片付けコンサルタントの近藤麻理恵氏など、100名以上の各界著名人を「リンクトイン認定インフルエンサー」として迎えるなど、積極的に日本市場での取り組みを加速しています。
しかし、グローバルで活躍されている方は間違いなく利用しているリンクトインですが、グローバル人材採用のための企業利用はまだ発展途上にあります。
今回は、日本企業あるいは海外企業が日本国内でグローバル人材を採用するためのリンクトイン活用についてご紹介します。
日系企業から外資系企業への転職を検討している方は、以下の記事もぜひ参考にしてみてください。
・日系企業から外資系企業に転職する際に注意したい5つのポイント
リンクトインでグローバル人材採用
企業の採用担当、あるいはHiring managerとして新たなメンバーを採用したい場合、リンクトインの活用を強くおすすめします。
リンクトインは、日本国内においても、グローバル人材ネットワークとして唯一無二のプラットフォーム。
この点を考慮すると、リンクトインを利用せずに、グローバル人材採用に課題を感じている場合は非常に勿体ないです。
いますぐリンクトインで企業アカウントの作成、あるいは個人アカウントを利用した採用活動を行ってみましょう。
また、リンクトイン・ジャパンという会社について気になる方は、代表の村上臣(むらかみしん)氏の「JAPAN INNOVATION DAY 2021」の基調講演記事が大変興味深いため、一読をおすすめします。
グローバル人材採用が困難な日本市場
リンクトイン活用に限らず、そもそもグローバル人材を採用するにあたり、どうして創意工夫が必要なのでしょう。
昨今、終身雇用制度の見直しが進み、20代〜30代を中心にビジネスパーソンの転職頻度は高まっています。コロナ前の2019年には日本国内の転職者数は351万人と過去最多を記録しました。
一見、人材の流動性が高まっているようにも見えますが、グローバル人材の総数はさほど増加しておりません。これにはどういった背景があるのでしょうか。
やはり英語がグローバル人材採用の大きな障壁
日本に優秀な人材は数多くいますが、セールスやマーケティング、CSの高い専門性を持ち、さらに英語コミュニケーションが円滑にできる人材となると一気に候補者が減るのが実情です。
人間性、専門性からもこの人はぜひ採用したいと思っても、英語ネイティブメンバーとのインタビューで残念ながら落とされてしまうといった経験が、グローバル人材採用に関わる方であれば一度はあるでしょう。
ある程度英語コミュニケーションが取れても、しっかりと意思を伝えられるかどうか。ここが日本市場における、グローバル人材採用の一つの大きな障壁となっています。
グローバル企業における英語コミュニケーションについては、マイクロソフト シンガポールに勤める岡田兵吾氏のお考えがとても参考になります。最低限の英語力は当然ですが、最後はやはり人間力がグローバルに戦う上で重要です。
グローバルで活躍するのに、英語はそれほど大切ではないです。外国人が完璧でない日本語を話していたら、そういうものだと思うもの。日本人が英語を流暢に話す必要はなくて、それより、どんな信念を持っているか、何を変えようとしているか、こういう人間力に人は控えるもの。熱く挑戦することが大事!
— 岡田兵吾★非ネイティブエリート最強英語フレーズ550 Amazon9か月1位、韓国版・中国語版発売! (@phoenix_hugo) May 26, 2021
また海外勤務歴約20年の岡田氏が手掛けた著書もグローバル人材にはおすすめの一冊です。
ビジネス現場で即効で使える 非ネイティブエリート最強英語フレーズ550
グローバル人材採用におけるリンクトインの強み
では、グローバル人材が少ない日本市場において、どのように素晴らしいタレントを見つけ出せばいいのでしょう。
前述の通り、ただ専門性が高いだけではなく、英語コミュニケーションの観点も重要となります。その2点のフィルターを通すのに有効なプラットフォームこそがリンクトイン。
リンクトインは精度の高い職務経歴書
まず、採用ポジションに合いそうなタレントを見極めるのに有効なのが、経歴を知ること。ただ、そうした情報はどこにでも公開されている訳ではありません。
しかし、リンクトインはプラットフォームの性質上、ほとんどのユーザーが実名で、自身の経歴をプロフィールに記載しています。役割などの詳細も記載しているユーザーも多いのも特徴。
採用ポジションへの関連性、そして現職の勤務期間などから転職可能性についても、リンクトインを通じて容易にリサーチすることが可能です。
これにより、専門性はもちろん、経歴からグローバル領域でのビジネス経験なども見て取ることができます。
もちろん、これだけでは十分ではありませんが、貴重な日本のグローバル人材から目ぼしい候補者を見つける点では、非常に有効な情報がリンクトインでは得られるのです。
リンクトインを活用するグローバル人材の心理を知る
リンクトインでは容易に候補タレントを見つけられると述べましたが、採用につながるかどうかは全く別物。
そこで、採用したいグローバル人材がリンクトインをどのように利用しているかを知ることがまず大切です。
主に日本のリンクトインユーザーの使い方としては大きく以下の4点が挙げられます。
2. グローバル企業の事業動向を知りたい
3. 将来的なキャリア開発のためのつながり作り
4. 名刺代わりに登録しただけ
採用担当が着目すべきは、1点目と3点目に関わる情報提供やネットワーキング。
これはグローバル人材に関わらず、一般的な採用活動に通じますが、まずは関係を作ること。もちろんオープンポジションに関する情報を1通目から送信しても構いませんが、興味がないと返信がきてもそのタレントと中長期で関係が作れるように心掛けましょう。
リンクトイン採用の鍵は企業カルチャー紹介
企業がリンクトイン採用活動をする上で、日頃から実施することで効果が出るのが、リンクトイン企業アカウントでのチームや企業カルチャー紹介。
Googleなどはとても有効な企業アカウントの運用をしており、チームの様子や社内カルチャーを身近に感じられる投稿を頻繁に行っています。
具体的なジョブポストや、事業ニュースも投稿しつつ、より重要視したいのがこうした会社紹介だと言えます。
リンクトインでのグローバル人材採用が企業を強くする
グローバル人材採用を手掛けている方は、改めてどういった人材が欲しいのか考えてみてはいかがでしょう。社内カルチャーを改めて明確にすることも重要です。
業務範囲はもちろんJob Descriptionで設定されているはず。
しかし、マインドセットはいかがでしょう。企業文化については記載しているでしょうが、より具体的に今後どのような事業展開をするために、どのようなチームを作りたいのか。そのために、どういった人材(Personality)を求めるのかを明確にしていくことが、きっと中長期での採用活動の結果をもたらしてくれるでしょう。
その上で、リンクトインを活用するなど、希少なグローバル人材を惹き付けることが今こそ求められています。
記事内のリンクトイン関連画像はLinkedIn Pressroomの公式素材を利用